船舶|渡し船
このページを作った目的は、人知れずひっそり運行されている渡船、頑張ってるよという証です。wikipediaが記事としては充実していますが、写真はあんまりなかったし、ましてや渡船の看板や標識にスポット当てる人なんてなかなかいそうになかったので、私が……みたいな話です。需要も多くないと思いつつ、でもでもきっとお好きな人にヒットするに違いないと。
小堀の渡し(茨城県取手市)
「小堀」と書いて「おおほり」と読むのは不思議な感じです。有料で、領収書は記念券タイプ。観光客も乗せる「遊覧船」的な意味もあるようです。それでいて、付近を走る道からは非常にわかりにくい。堤防の向こうにひっそりある、という感じです。……総じて渡し船は場所がわかりにくいですが。
三点を結んでいる、というのもちょっと珍しいかもしれません。
島村渡船(群馬県伊勢崎市)
先の「小堀の渡し」もそうですが、河川の改良により、分断されてしまった地域を結ぶ、という意味合いもあるようで。ここは何度か訪れましたが、いずれも増水のために運休していました。待ち合わせの小屋は、「川の駅」として観光パンフレットなども置かれています。
赤岩渡船(埼玉県熊谷市〜群馬県邑楽郡千代田町)
「船を利用して群馬県側に渡りたい方は、土手下の待合所に設置してあるポールの黄色い旗を上げて下さい。」これが、船に乗車希望を伝える合図です。なんと素敵なのでしょう。ここは、渡船場までバスが来ています。
矢切の渡し(千葉県松戸市〜東京都葛飾区)
「渡し」と聞いて、まっさきにここをイメージする方は多いと思います。それほどまでに、ヒット曲というのは、人々の心に住み着くのですね。歌謡曲の華やかなイメージとは違って、地味に、密やかに運行されている感じです。ただ、他の渡船と比較すればかなり乗客も多いですし、観光地化していると言えるかとは思います。
浦賀の渡船(神奈川県横須賀市)
大手私鉄の駅から行ける渡船。地形を見ると、なるほどここに渡しが必要な理由がわかります。
城ヶ島渡船(神奈川県三浦市)
厳密には離島航路ですので、渡し船の定義からは少しズレるかもしれません。「天ぷら油で運航中」とあるように、近隣の民宿などから廃油を集めて走らせているようです。エコ。
富山県営渡船(通称)越ノ潟フェリー(富山県射水市)
ここはある意味「鉄道代替フェリー」とも言えます。過去には、このルートを鉄道が抜けていました。今でも越ノ潟方には、高岡駅までを結ぶ万葉線のスマートな電車がやってきています。堀岡側には、富山地方鉄道射水線がありましたが、1980年代に廃線となりました。万葉線に乗ってると、ああ、射水線ってこんな感じだったのかなーなんて想像できて楽しいです。
このフェリーですが、ルートの真上に巨大な橋が完成しました。しかし見上げるほどに高い橋は、自転車の子供や、徒歩のお年寄りが気軽に渡るには少々遠いし、不便です。結局、高さの変わらないフェリーが残されています。
越の潟
堀岡
塚間の渡し(静岡県静岡市清水区)
名前からするイメージとは違って、近代的な「水上バス」が運行されています。私、何か間違って来ちゃったのかなあと思ったのですが、水上バスの待合室に「塚間の渡し」についての説明が貼ってあったので、ここでよいのでしょう。たぶん。
近隣には「我入道の渡し」なんてのも残されています。
井川湖渡船(静岡県静岡市)
鉄道マニアにおなじみの大井川鉄道の終点「井川」から、湖を渡る船が出ています。
観光客もウェルカムな感じの案内看板や表示ですが、たどり着く先「井川本村」は、ごくごく普通の小さな集落です。ダイヤもぐるっと回ってダムに帰ってこれるようになっていますね。
中野の渡し(愛知県一宮市〜岐阜県羽島市)
看板にあるように正確には「西中野渡船」というようです。愛知、岐阜周辺にはいくつもの渡船があったのですが、2011年3月に3つがまとめて廃止になってしまい、急に寂しくなってしまいました。廃止になった渡船については、このページ下のほうに写真掲載しています。
小紅の渡し(岐阜県岐阜市)
観光ガイドマップにも載ってると聞いていましたので、矢切の渡しのような賑やかなイメージをしたのですが……。実に密やかに、でも生活に密着した感じで運行されていました。私は写真が撮りたかっただけで、乗るつもりは無かったのですが、船頭さんは「今日はちょっと水位が高いから見合わせてるんだ」とおっしゃいました。
大阪市の公営渡船
大阪市の渡船は、割ときっちりとしたダイヤが定められていて、時間になるとスタッフがザッって感じで現れて船を運航してまたいなくなる、という感じでした。利用者も多いですし、定着している感じですね。
天保山渡船
落合上渡船
落合下渡船
尾道渡船・駅前渡船など(広島県尾道市)
尾道もまた、渡船文化が根付いた町です。駅を降りて向かいの向島に渡る船が何通りもあって、自由に選べる感じがまた素敵です。こういう町はたっぷり一日以上時間をとって散策するのがよいですよね。
写真を追加しました。回数券が販売されている渡船もあります。
音戸渡船(広島県呉市)
日本で一番短い航路として売出し中。このレトロさは失わないで欲しいものです。切符は特にありませんが、実は定期券があります。
鶴江の渡し(山口県萩市)
wikipediaの「渡し船」の項目を参考に、地図で調べたりしながら現地に赴くわけですが、ちゃんと調べてあっても見落とすのが渡船です。ここも、目の前を二度通り過ぎてようやく気づいたという。
長原渡船(徳島県徳島市〜板野郡松茂町)
県営だからか、無骨な感じの乗り場がかえって素敵に見えます。
岡崎渡船・黒崎渡船・島田渡船(徳島県鳴門市)
鳴門市には大きく分けて3つの渡船があります。本当はもう一つあるのですが、病院専用とのこと。
岡崎渡船
黒崎渡船
島田渡船
たぶん、この物置が待合室なんだと思うんですが。この時は開いていませんでした。ホントに物置だったのかな。
三津の渡し(松山市営渡船)(愛媛県松山市)
いわゆる「ポンポン船」で運行されています。実に可愛い船です。
県営渡船(高知県高知市)
少し前までは自動車も乗せてもらえたそうで。確かにそんな構造になっています。
須崎市営巡航船(高知県須崎市)
渡船というのは基本的に、川などの対岸を結ぶものですが、巡航船というのは湾の中を港港に立ち寄りながら進む船です。かつては舞鶴市などにもありましたが、今ではここにしか残っていません。
「埋立」というのは船乗り場の名前(地名)です。
若戸渡船(福岡県北九州市)
若戸大橋も若戸トンネルもありますが、渡船もあります。
廃止・休止された渡船
津宮渡船(千葉県香取市)
2007年3月末に廃止となった、津宮渡船ですが、2011年8月に訪れた際には、まだ看板類は残されていました。鳥居が目印ですので、後年になっても場所はすぐわかると思います。
富田渡船(千葉県香取市)
渡船に興味を持って、最初に訪れたのが、ここ富田渡船でした。しかし、なかなか見つけることができず、本当にあるの? と疑うほどに。却ってそれが故に、見つけたときには、「こんなにひっそりと運営されているなんて!」と感動したのでした。
残念ながら2013年の3月をもって85年間の歴史を閉じました。
葛木渡船(愛知県愛西市)
2011年3月末で廃止。2009年の2月に以下3つの渡船をまとめて訪問しました。いずれも実際には船に乗ってはいません。看板〜と言いながら撮り歩いてました。でも、今となっては撮っておいてよかった、と思います。
森下渡船(愛知県愛西市〜岐阜県海津市)
日原渡船(塩田の渡し)(愛知県愛西市〜岐阜県海津市)
如意の渡し(富山県高岡市〜射水市)
待合室にスタンプもあったことで、知られていた渡船でしたが、橋の完成に伴い、2009年8月2日を最後に廃止となりました。その待合室もキレイに撤去されてしまいました。